ローンが残っているマンション売却の注意点
マンションを売却したいとき、まだ住宅ローンの残高があることがほとんどです。このとき、注意しなければならないことがあります。
特にマンションを購入してから、すぐに売却しなければならないときは、ローン残高が多いので注意が必要です。ローン残高のあるマンションの売却時の注意点について説明します。
自分のマンションだからいつでも自由に売れると思っていませんか?
確かに、自分で購入していれば、いつでも自由に売りに出すことは可能です。ただし、それには条件があります。
ローン残高が残っていると、銀行の抵当権がマンションに設定されていますが、その抵当権を抹消できるという条件です。自分のマンションなのですが、抵当権がなくならない限り、勝手に処分できません。
抵当権とは、住宅ローンの支払いができなくなったとき、銀行がそのマンションを取り上げることができる権利のことです。
ローン残高を完済できないと売却は不可能です

もし、マンションを売却した資金でローンを完済できなれば、購入希望者が見つかっても残念ながら売却できません。自己資金をプラスしてローンを完済することで、売却できるようになります。
住宅ローンは最初の頃は、返済金に占める利息のウェイトが高いので、元本の減少が少なく、いざ返済しようすると意外に多くの資金がいることに気がつきます。
もし、35年のような長期のローンを組んでいて、返済が進んでない時期にマンションを売却しなければならないときは、完済しなければならないローン残高を銀行に確認し、その金額以上で売却が可能かを検討しなければいけません。
アンダーローンとオーバーローン
マンションを売ったとき、売却価格がローン残高を上回る状態を「アンダーローン」と呼びます。
もし、売却が可能な価格がローン残高を下回ると「オーバーローン」と呼ばれる状態になり、マンションの売却資金だけでは、売りたくても売却できないことになります。
オーバーローン解消方法
オーバーローンは、不足分を自己資金でまかなえれば問題ありません。もし、自己資金でも不足するようであれば、その金額を銀行から借入をするなどして調達しなければなりません。しかし、一般的に多額の住宅ローン残高が残っていると、新たな銀行借り入れは難しいでしょう。
ベストなのは、親戚や、友人・知人から低利で借りることです。住宅ローンがなくなることで、その借入が返済できるかを確認しましょう。親戚や友人・知人や銀行以外は、高い利息で借りなければならないので、なるべく避けなければいけません。
オーバーローンが解決できないとどうなる?
オーバーローン状態では、不足分に自己資金ができるまで、または低利の融資を受けられるまでは売却を思いとどまる方がよいでしょう。しかし、自己資金も低利の融資もできず、住宅ローンを払い続けられないとなると、ローン保証会社が銀行ローンを肩代わりして支払います。
しかし、今度はローン保証会社に返済していかなければならなくなります。当然、この返済もできないので最終的には立ちのきを迫られて、マンションは競売にかけられます。
競売にかけられたら地獄
競売にかけられてそれで終わりなら、まだ良いのですが、競売で得られる資金は通常の売却金額よりはるかに安い金額です。そのため、多少返済額は減りますが、残ったローン残高に対して競売後も相変わらず返済していかねばなりません。
また、無理をして高利の融資を受けても返済は長くは続かず、さらに悲惨な状態になる可能性が高くなるので避けなければなりません。
ローン返済ができないことがマンション売却の理由の場合
もし、マンション売却の理由がローン返済のためだけであるなら、できるだけ早く銀行に相談に行くようにしましょう。
住宅金融支援機構のフラット35を利用している場合、「返済期間の延長で1回あたりの返済額の減額」「一定期間のみ返済額を減額」「ボーナス返済を毎月返済への変更」などの対応が取れる場合があります。また一般の銀行でも、何らかの軽減策を取れる可能性があります。
オーバーローンの最終解決方法は「任意売却」
金融機関と相談しても、ローン返済ができない場合、競売にかけられるより良い方法として「任意売却」という方法があります。
任意売却とは、ローン残高を完済できないと、抵当権が設定されるため売却できないマンションでも、売却できる方法です。競売に比べると早く、高額で売却できるメリットがあります。
任意売却は、住宅ローンの返済を3カ月以上することで利用できます。ただし、任意売却を行うとブラックリストに掲載され、その後5年間以上は、新たなローンやクレジットカードの利用ができなくなります。
最終解決方法の回避を目指すのが理想
もっとも高額で販売できるのは、通常の方法による売却です。ぎりぎりまで頑張ると、値引きして早期に売却をしなければならなくなります。
返済が厳しいと感じられる場合、できるだけ早めに査定を受けて売却交渉を進め、残るかもしれないローン残高を完済できるように金策に走るようにしましょう。時間をかけて売却することで安値での売却を回避できます。また、余裕をもった金策もできます。
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