タロットの「塔」
ヴィスコンティ・スフォルツァ版のタロット(「悪魔」と「塔」のカードが無い)
興味深い話ですが、現存する最古(15世紀)のタロットのヴィスコンティ・スフォルツァ・タロット (Visconti Sforza Tarocchi) では「悪魔」と「塔」のカードのみが消失して無い状態です。
16番目のカード
「悪魔」(The Devil : XV)のカードの直後にくるタロット16番目のカード、「塔」(The Tower : XVI)は一番悪い(最凶・最悪)カードとされ、タロットカードの中では唯一、正位置でも逆位置でも悪い意味を示すカードと解釈されるのが一般的で、凶兆(ill Omen)を意味しているといわれています。この「塔」のカードはお守りとして持つのも、適さないといわれています。

「稲妻に破壊され崩れる塔」、「落とされる王冠」、「墜落する二人」が描かれているものが多く、どのタロットカードのデザインでも「塔」の絵柄はおどろおどろしいのが特徴的です。
ジョアン・バニング(Joan Bunning)による「塔」のキーワード
・混沌 – 急変 – 影響 – 困難
・危機 – 発覚 – 崩壊 – 真実
・覚醒 – 衝突 – 破裂 – 不快
・転落 – 破産 – 自滅 – 一変
逆位置では少し緩い悪さの強度になるそうです。
*もちろん、占いをする方のインスピレーションにより、他の解釈もあります。
バベルの塔
また、「塔」のカードはバベルの塔と関係しているとされています。バベルの塔というのは、人間の「傲慢(ごうまん)」の象徴とされています。「塔」のもうひとつの意味として、神からの「啓示」「忠告」「お告げ」の意味もあるといわれています。なので、全くの「凶」を示すカードではないのかもしれません。
「戒め」や「新しく物事を始めるために、いまあるものを全て壊す(転機)」、または「解放」と解釈することもあるそうです。
参考 : バベルの塔まとめ