バベルの塔

バベルの塔-ブリューゲル
ピーテル・ブリューゲル (Pieter Bruegel) The Tower of Babel (1563)


ジッグラト
メソポタミア文明の「塔」、または「ピラミッド」はジッグラトと呼ばれていました。ジッグラト【Ziggurat】とは「高い」を意味し。「天と地」をつなぐものとされていました。「バベルの塔」とは、バビロンに建設されたジッグラトのことを指します。「バベルの塔 – Tower of Babel」という呼称されたのは、都市が崩壊したあとからになります。

バビロン地図



バベルの塔があった場所

バビロンとは、メソポタミア(現イラク)南部の地域、バビロニア王国(帝国)にあったとされている首都バビロン市のことです。


有力な説では、バベルの塔は7階建て、高さは90メートルで、最上階には神殿があったそうです。


「一週間七日」と定義したのは、バビロン捕囚だったユダヤ人で、バベルの塔の各階は各曜日を示しているといわれています。1階[土星]、2階「木星」、3階[火星]、4階[太陽]、5階[金星]、6階[水星]、7階[月]



ヘンドリック-バベルの塔
ヘンドリック・ヴァン・クレーヴ (Hendrick Van Cleve) The Construction of the Tower of Babel (1587)

バベルの塔のまとめ

バベルの塔の話は、旧約聖書「創世記 11章 1節~9節」に登場します。「創世記」を理解するのは大変難解で、旧ヘブライ語(へブル語)を英語に翻訳されたものはいくつかありますが、特にこの「バベルの塔」の部分に関しては、それぞれが違う解釈・内容になっています。これらをさらに日本語に翻訳して、まとめてみました。

「創世記」11章 (ノアの箱船の話の後につながる部分)

①もともと、地球上のすべて人々は、「同じ言語を話す、ひとつの民族」だった。


②東方に移動しながら生活していた人々は、シナル(シュメール)に平野を見つけ、そこに住み着いた。


③彼らは「石と漆喰」(神が造ったもの)の代わりに、「ブロック(煉瓦)とアスファルト」(人間が造ったもの)を使った技術を生み出した。


④人々は自らの誇示と、団結力を高めるために、その技術を使って、「都市」と「天国への階段(すなわち塔)」を築きはじめる。


⑤神(エホバ)がその都市と塔を偵察しに来る。彼らの団結力が、神の存在を脅かすと危惧する。


⑥こういう事態になったのは、人間が「単一民族」で「単一の言葉」を話しているからだと結論づける。


⑦神は地上を混乱させるために、人間が使う言葉を通じないようにした。人々はお互いが理解できなくなった。


⑧都市と塔の建設はできなくなり、ひとつの集団だった人々は散り散りになる。


⑨それぞれが世界の各地へ渡った。街をつくり、やがて個々の言葉を話すようになる。世界は分裂していった。混乱により崩壊した「都市」はバビロンと名付けられた。


「バベルの塔」は実在したのか?

いままで、いくつかのジッグラトが発見されていて、ある学者は「エ・テメン・アン・キ」の遺跡こそが「バベルの塔」の基盤だったと唱え、一部では有力説といわれています。

エテメンアンキ

発見されたジッグラトらは、旧約聖書に登場する「バベルの塔」と同様に、乾燥させたレンガ、燃き固められたレンガ、アスファルトのモルタルで建造されています。

バビロニア王国だったと推定されるチグリス・ユーフラテス川をまたいだ周辺には、たくさんのジッグラトとおもわれる遺跡が発見されています。

しかし、現実的な見解では、ジッグラトのどれかが「バベルの塔」、もしくは「オリジナルのバベルの塔が複製されたものかもしれない」そうで、「バベルの塔の遺跡」なのかは分かっていません。

バベルの塔が描かれた当時の石碑(最古)

最古のバベルの塔

最古(紀元前604〜562年)とおもわれる「バベルの塔」の碑文(石に彫りつけられた文章)。 シェーンコレクションが所有する黒い石に刻まれた石碑は、2500年前に新バビロニアを支配したネブカドネザル2世と、ジッグラト(メソポタミア文明の聖塔)が描かれています。

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ブリューゲルの絵画、またはスカイツリーのような円筒形ではありませんが、間違いなく7階建てになっていて、最上階には神殿があります。おそらくこの石碑に描かれた「バベルの塔」が、実在した姿に近いのではないでしょうか。

旧約聖書の「バベルの塔」すなわち「バビロンにあったジッグラト」のモデルになった建物は、未だはっきりした場所は解明されないものの、「本当にあった」とおもわれます。もしかしてバビロンに「塔」は複数あったのかもしれません。

シェーンコレクション  [Schøyen Collection / Schoyen Collection]

1955年から物の収集をはじめた、ノルウェーの実業家マーティン・シェーン氏(Martin Schøyen)が設立した書物収集団体。死海文書(ヘブライ語聖書の最古のテキスト)を含んだ134ヶ国120言語におよぶ13717の書物をコレクションし、 最古の物で5000年前の本(巻物、石碑など)を所有しています。

シェーンコレクション・ホームページ

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